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山でヒグマに遭わない・死なない観察力 その「痕跡」を見落とすな

北海道の森林深層部での豊富な踏査経験をもつ著者が、多数の写真を活用し、本来のヒグマの「素顔」と生態、そして地域の「ヒトとクマの日常」にまで迫ります。
圧巻は「ヒグマのうんち」と「ウンチク」をかけたユニークな巻頭章。ヒグマのうんちには、さまざまな「情報」が詰まっており、それを読み取ることでヒグマの生態がわかるとともに、ヒグマとの不測の事態=ばったり遭遇を避けられるといいます。
このほか、さまざまなヒグマのフシギな行動や生態、ヒグマを避けるためのヒント、身近にヒグマがいる人たちの日常、北海道行政のヒグマ対策についてなど、多角的な視点で構成された内容から「北海道のヒグマの現在」も見えてきます。
フィールドワークではヒグマとの遭遇はつきものという著者が、「ニュースで報道されるヒグマの情報しか知る術のない人たち」に、「ヒグマは本来どんな動物なのか」を伝えたい思いを込めました。ヒグマの生態や行動、食性などを学び、ヒグマ遭遇のリスクを下げるための一冊です。
稗田一俊/北海道で長年サケやイトウなど川魚の撮影をするかたわら、ヒグマなど動植物の撮影も手がけ現在に至る。所属:流域の自然を考えるネットワーク。『サケのふしぎにせまる』(旺文社)、『北海道の淡水魚』(北海道新聞社)等、著書多数。
長谷智恵子/クマゲラ研究家。1988年から環境省生物多様性保全計画のクマゲラ分布調査担当者と共に、離島を含め北海道中の山を踏査してきた。所属:流域の自然を考えるネットワーク。
目次
まえがき 2
1章 ヒグマのうんちク
春
ザゼンソウ糞 8
ミズバショウ糞 14
フキ糞1 22
フキ糞2 26
夏
マツボックリ糞 34
アリ糞 36
ニンジン糞 42
ニホンザリガニ糞 46
秋
サルナシ(コクワ)糞 50
マタタビ・ミヤママタタビ糞 54
ヤマブドウ糞 58
ドングリ64
オニグルミ糞 68
ナナカマド糞 72
マイタケ糞 74
サケ糞 76
糞くらべ ヒグマのフキ糞とエゾタヌキのため糞 84
その他の糞いろいろ① 林道に散らかしたうんち 92
その他の糞いろいろ② ヒグマほか動物の糞と昆虫たち
2章 ヒグマのさまざまな痕跡と行動
ヨブスマソウの食痕と足跡 100
エゾニュウの食痕と足跡 108
森林破壊とヒグマがクロスズメバチの巣を掘った痕跡 110
シカを襲うヒグマ 114
ヒグマの爪痕とシカの角こすり痕 120
作業道・土手の爪痕 124
ヒグマの寝床 126
クマ棚 128
ヒグマの冬眠穴 134
ヒグマの頭骨 140
花の付き具合を下見するヒグマ 144
ヒグマの石はぐり 146
木の上で眠るヒグマ 158
エピソード① ニンジンを食べる親子 160
ヒグマが看板を倒す・看板の痕跡 162
ヒグマの棲む山野に入る 166
ヒグマの撮影と観察 168
ヒグマの教育。愛情豊かな母グマの背中を見て子グマは育つ 170
母グマ直伝、カラフトマスの捕まえ方 172
3章 ヒグマを避ける・ヒグマの威嚇・出会ってしまったら
ヒグマに出会ったら 176
ヒグマの足跡を見落とすな! 182
ヒグマの毛を見落とすな! 186
エピソード② 初めて遭遇したヒグマ-大きい? 小さい?- 190
エピソード③ ガイド中にヒグマが…… 192
エピソード④ ヒグマの爪音 194
エピソード⑤ ヒグマの止め足 196
エピソード⑥ ヒグマのおどし 200
エピソード⑦ 車の中にいたシロにヒグマが…… 206
密猟が引き起こすリスク-シカの残滓- 208
エピソード⑧ シロとの出会い……クマ臭い 210
4章 北海道民とヒグマ
アスファルトの足跡 214
ヒグマは民家のごく近くに棲んでいる 222
エピソード⑨ 鉄砲のないマタギたち 226
エピソード⑩ かんじき-マタギの知恵 228
エピソード⑪ サクランボグマ 232
エピソード⑫ 観察会~牛のような声
ヒグマが歩いていた河畔林が皆伐された 238
エピソード⑬ 学校休校 240
5章 ヒグマをめぐるさまざまな現状
北海道のヒグマ対策について 244
私のヒグマ対策遍歴 252
知床のヒグマ管理 254
ヒグマは山の番人 258
ヒグマと人は共存できるのか、その可能性を探る
-私が見聞きしてきたこと- 260
釣りや登山など山へ入る人への注意
-ヘア・トラップ調査について- 264
あとがき 270