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桜鱒はなぜ「ヤマメとサクラマス」になったのか 釣り人が知りたい謎を解き明かす

桜鱒はなぜ「ヤマメとサクラマス」になったのか 釣り人が知りたい謎を解き明かす

定価:2,420円(税込)

著者:棟方有宗

出版年度:2025

四六判並製320ページ

魚類の研究者であり、釣り人でもある著者が、研究対象にして釣りターゲットでもあるサクラマスを柱に、ビワマス、サツキマス、サラマオマスからなる、いわゆる“サクラマス群”の生態、進化、保全等について縦横無尽に解説します。
本書は、水生生物を研究者目線で扱う専門誌『海洋と生物』で4年に渡る連載「サクラマス その生涯と生活史戦略」を、釣り人にも有益で読みやすく再構成したもの。前著『サクラマス・ヤマメ 生態と釣り 鱒釣りと種の起源を探る特別講座』の内容をさらに広げ、系統立てて深掘りしていきます。
サクラマス群がどのようにして川から海への回遊行動を進化させてきたのか、そして北太平洋で大回遊を行なうシロサケやカラフトマスなどの太平洋サケが進化を遂げるうえでサクラマスがいかに重要な存在だったかを、科学の視点からつまびらかにしていきます。
一方で、サクラマスやヤマメといったトラウトが生息する流域環境へのさまざまなインパクトに対して、科学の側面から突入口となるアイデアを提供し、またサクラマスと教育との関係性、国際的な研究協力についても紹介しています。

目次

まえがき 6

第1章 回遊行動のメカニズム
Chapter
1 サクラマスの分類、分布、回遊生活 9
2 サクラマスの降海回遊と環境要因 26
3 サクラマスの河川残留型と降海型のバリエーション 46
4 降河回遊期以降の生活史 61
5 降河回遊行動の生理的調節機構 76
6 遡上回遊・産卵行動の生理的調節機構 90
コラム1 アユは今もサケの仲間か? 24
コラム2 回遊現象の名称 44
コラム3 降海後の摂餌内容(降海型はミノーで釣れる?) 73
ミニコラム1 テントとカヌーの頃 89

第2章 回遊行動の生態
Chapter
7 サクラマス群の稚魚期の河川内における生態 105
8 サクラマス群の成魚の河川内における生態 125
9 サクラマスの資源減少 139
10 サクラマスの利活用 154
11 サクラマスの保全 174
12 サクラマスと生態系の関係 189

第3章 回遊行動の進化
Chapter
13 サクラマスの秋スモルト 204
14 サクラマス群の回遊行動の進化(前編) 220
15 サクラマス群の回遊行動の進化(後編) 233
16 太平洋サケの回遊行動の進化 243
ミニコラム2 サクラマスの秋スモルトは我々に何を伝えるのか 219

第4章 アウトリーチ
Chapter
17 ドローンによる空からの行動追跡 256
18 切り欠き魚道の可能性 271
19 サクラマス研究のアウトリーチ(学校・市民に対する教育プログラム) 283
20 サクラマス研究のアウトリーチ(国際研究交流) 293
ミニコラム3 電波タグ探知ドローン開発前夜 270

第5章 サクラマスの立ち位置
Chapter
21 サクラマスの生活史戦略 304

あとがき 318

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