ISBN978-4-86447-333-0 C2075
本体1,000円+税
46判並製 1C128P
外来種だからといって、すべてを駆除するのが正しいのか?
本書ではさまざまな例を挙げ、声高に叫ばれる「外来種=悪」という単純な見方について疑問を投げかけます。
外来種問題に詳しい池田清彦先生の解説に加え、「外来魚駆除」から「外来魚お引っ越し」へと方針転換を行なった町の例などを盛り込み、
さまざまな角度からこの問題を掘り下げます。
外来種、在来種という勝手な区別だけで、命を選別することが許されるのか……。
目次
011
第1章 外来種と在来種の境界線
いつ入ってきたら外来種なの?
在来種から格下げされたカメ?
人の手が運んだ生きもの
国内で運んでも外来種?
クマゼミは人が運んだのか?
外来種問題を整理する
027
第2章 なぜ外来種はワルモノにされるのか?
タイワンリスの悪行
駆除するかどうかは、どう決まる?
人が利用している外来種
琵琶湖の在来種を減らしたのは?
小さな島では外来種が脅威になる
ニッチについて
交雑種は殺すべきなのか
045
第3章 外来種を駆除して何を守るのか?
人が手を加える前に戻したい
作られた里山生態系
トキを巡る複雑な事情
生物をコントロールできるのか
「手つかずの自然」
ビクトリア湖のシクリッド
里山も「手つかず」に戻すべき?
水田は「自然」とは呼べないから……
069
第4章 人が手を加えるのはそこまで悪なのか
生きものを手助けする
堰堤の上に魚を移動させるのは?
絶滅しそうでも「手は出さない」のが正しいのか
人と自然の関わり方
080
Column 1 令和元年に思う「梅」のこと
081
第5章 必要なのはケース・バイ・ケースの対応
危険な外来種
「外来種=悪」は単純すぎる
何を目指すべきなのか?
子どもたちには正確な知識を
089
第6章 群馬県邑楽町に見る外来魚駆除の現実
中野沼の例
外来魚だけど……かわいそう
殺さなくてすむ方法
水をぜんぶ抜いたら……?
生きものと触れ合う機会
転換期
目的は何なのかを明確に
106
Column 2 外来種に依存する在来種
107
第7章 池田清彦が語る外来種問題の現在
竹ヤリで戦うようなもの
外来種の定義は恣意的
生態系は変わっていくもの
いてもどうってことのない外来種
外来種によるコントロール
役に立つならいてもOK?
遺伝子が混じり合うのは悪なのか
クワガタの交雑
環境収容力
どのくらい採ってもよいのか
すべての命は大切
移入先で見つかったクニマスの例
命の選別は許されるのか